
洲宮神社
所在地 館山市洲宮921
主祭神 天比理乃咩命
社格等 式内社(大) 論社 旧県社
創 建 (伝)神武天皇元年
本殿様式 神明造
例祭日 8月初旬


洲宮地区の鎮守。安房神社の祭神である天太玉命(あめのふとだまのみこと)の后神(きさきがみ)である天比理乃咩命(あめのひりのめのみこと)を祀っています。
社殿上部におかれた彫り物



本殿の脇には3基の石宮があり、中央と右端の石宮は旧社地である魚尾山(とおやま)から移動させたもの。
左端の小さな石宮は、山からの恵みに感謝するため山の上に祀ってあったものを移動させた「山の神」です。

木造天部立像
一木造りで、両手は肩で矧(は)ぎつけていますが、右腕は失われ、左手もひじより先がなく、顔の損傷もひどいため像容は不明です。
四天王か二天王のうちの一体、あるいは毘沙門天(びしゃもんてん)像と考えられます。憤怒(ふんぬ)像にしてはおだやかな感じのする像です。像高は76.5cm。全体に彫りが浅く、藤原風の印象もありますが、体は偏平で、足が細いので動きもあまりみられず、体にくらべて頭がやや小ぶりに見えます。
細部は省略されたところもあり、南北朝期から室町時代前期にかけて制作されたと考えられます。当社に伝えられているのは神仏習合の時代の名残でしょう。

神輿
屋根には五七の桐紋が輝き、美しい黒の漆で塗られた神輿本体と、繊細な彫刻、金箔の飾りや朱で彩られた鳥居、囲垣など調和のとれた美しい神輿です。


洲宮神社の神輿は、八月の洲宮神社例祭と9月鶴谷八幡宮で行われる安房国司祭(やわたんまち)に出祭します。
洲宮神社例祭では、早朝に旧社地で現社地から1kmほど離れた「明神山(みょうじんやま)」という小高い山に登って浜降神事が行われます。
御田植(みたうえ)神事
(市無形民俗文化財)
元日の朝に社前で行われる豊作を願う神事。氏子の古老を「指揮者」と定め、耕作の「牛」として地区内の新婚や既婚の男子を一人決め、拝殿前の広場で餅や籾、苗などを供え、竹製の鍬を置いて「月もよし 日もよし 神の御田うない申す」と指揮者が3回唱えると、子どもたちが竹製の鍬でうなう所作をするなど伝統ある神事です。
