千祥寺~七人様の歴史~

千祥寺 大神宮義民の碑

「大神宮義民七人様の供養碑」について

七人様というのは、万石騒動よりも30年ほど前に大神宮で起こった農民一揆の犠牲者たちのことです。

寛文12年大神宮村の領主になった旗本河野三左衛門は、山年貢を課し厳しい取り立てを行いました。延宝7年(1679年)から3年間凶作が続き、人々は食べる米もなく、苦しみました。

このため村人は天和元年・2年(1681・82)と江戸の河野家に嘆願しましたが、聞き入れられず、ついに奉行所へ越訴しました。しかし、農民側の組頭が偽証したため、代表7人が罪を問われて処刑されてしまったのです。地元ではこれを悲しみ、供養碑を建立しその霊を祀っています。

安房神社入口に設置された、「大神宮義民七人様の供養碑」についての説明文

大神宮村七義民、七人様の物語

徳川時代前期の寛文12年(1672年)のことです。大神宮村は旗本河野三左衛門によって、高い年貢を要求されていました。山年貢を納めても山の入会地へ入ることを禁止され、木材を売った収益は河野三左衛門が独り占めしていました。村人は苦しい生活を強いられていたのですが、特に延宝7年(1679年)から3年間、房総半島を襲った嵐により大凶作が続きました。年貢米だけでなく、食べる米も足りなくなった村人たちは河野三左衛門に二度訴えましたが聞き入れられず、逆に訴え出た名主親子が座敷牢に捕らえられました。やむなく天和2年(1682年)3月、名主小柴三郎左衛門を始め平兵衛、久助、市郎兵衛、伝三郎、六左衛門、七左衛門の7人は、江戸奉行所へ越訴しました。けれども、この時代江戸奉行所に訴えることは大罪とされ、その年の11月11日7人は斬首の刑に処せられ、家財没収、家族追放となってしまいました。村のために犠牲となり、非業の死を遂げた七義民を悼んだ村民は、ひそかに墓碑を建ててその魂を弔いました。

千祥寺入口

目の前の坂を上ると「千祥寺」です。この坂は、雨で路面がぬれていると、とても滑りやすくなるので十分注意してください。

千祥寺の役割

この千祥寺には、大きく2つの役割があります。

1つは、先ほど見た「大神宮義民七人様」(地域の方は、七人様と呼んでいます)の供養です。

当時、七人様を弔うことは表立ってできなかったので、村人たちは隠れて墓を作りました。年月が経つうちに墓の存在も忘れられ、口伝えだけで七人様の物語が伝わっていました。大正11年(1922年)檀家が墓を掃除中墓の台石と竿石を発見し、それが七義民のものであることが判明して、修復されました。

大神宮村義民七人様由来記

世は泰平に慣れ始めた徳川時代前期の寛文12年(1672)大神宮村は地頭河野三左衛門の知行所となってより、田畑山林の年貢を高くされたのみでなく、入り会い山林への出入も差し止められ、その他残忍な誅求で村人の困窮は日増しに募るばかりでした。殊に延宝7年(1679)より3年に亘る大凶作のため、年貢米は無論飯米にも事欠く有様となったので、村人たちは二回も門訴を敷いたが主だったものが所払いにされる仕打ちに、やむなく天和2年(1682)3月、名主小柴三郎左衛門を始め平兵衛、久助、市郎兵衛、伝三郎、六左衛門、七左衛門の7人は、江戸奉行所へ越訴しましたが、却って罪に落とされ、同年11月11日斬首の刑に処せられ、家財没収、家族追放の憂き目をみたのは、封建の世とはいえ真に悲惨の極みでした。身を殺して仁徳な裁きなくして非業の死を遂げた七義民を悼んだ村民はひそかに墓碑を建ててその英魂を弔いましたが、いつしか湮滅して終わりました。その後133回忌に当たる文化11年(1814)供養碑が再建されましたが、それもいつしか地下に埋もれ口碑に残るだけとなりました。ところが大正11年(1922)9月檀徒が千祥寺境内を清掃中、台石及び竿石を発見、それが七人様の墓石であることを確認し、それを修復して同年11月11日村を挙げて盛大に240回忌の法要を営みました。この大和義民七人様供養碑は、昭和49年(1974)7月19日、館山市の貴重な文化財として、史跡に指定されました。

昭和50年7月

館山市文化財審議委員会議長 川名正義

館山市文化財審議委員    小澤建蔵

千葉県文化財専門委員謹撰  君塚文雄

もう一つは、この千祥寺の檀家(現在約50戸)の法要です。これも小塚大師の住職を招いて行っています。お墓は「観音堂」と小塚大師への途中の高台にあります。

ぜひ、七人様の供養塔に手を合わせてください。

館山市神戸の歴史探訪(南部)地図

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アクセスマップ

〒294-0233 館山市大神宮704-1