
厳島神社
島状の高台に鎮座する布沼の鎮守で、境内には文化7年(1810)の手水石があります。



社殿の裏手に縄文時代の石棒が祀られ、周辺からは古墳時代の土師器が出土するそうです。


かっこ舞
館山市神戸地区の布沼では戦前、8月10日から3日間、氏神である厳島神社の例祭でかっこ舞が演じられました。
宗教社会学者の古野清人氏の調査によると、3人のかっこが舞い、4人の子どもが5色の色紙を垂らした笠をかぶってささらをすり鳴らしていたようです。
雨乞いの踊りであり、旱魃の時には臨時で演じることもあったようです。近隣5ヶ村が、布沼の大石弁天でおこなったとされる雨乞祭で、このかっこ舞が踊られた可能性もあります。残念ながら現在踊りの伝承は残っていません。
獅子頭およびかっこ舞の道具は布沼の菊井家に残されていました。菊井家は近世初頭までこの地を支配した里見一族の末裔です。
同家の伝承によると、菊井家が管理する薬師様で病気払いのためにおこなったのが、かっこ舞のはじまりだとされています