十二所神社

十二所神社

(じゅうにしょじんじゃ)

館山市茂名の「十二所神社(じゅうにしょじんじゃ)」は森の奥にあり、祭神は国常立尊(くにとこたちのみこと)です。

階段上の灯籠一対は天保3年(1832)9月に村内の矢田太郎右衛門・和田吉良兵衛・矢田安右衛門・石井弥五右衛門を世話人として奉納されたもので、他に願主21名が名を連ねています。なお、火袋(ひぶくろ)には大正12年(1923)の大震災で倒壊した際に修繕した旨が刻まれています。

火袋の「和田常太郎修繕之タス」の文字

拝殿向かって左の社は金毘羅社で、村内の他の場所から移したもの。その右には岩壁をくり抜いて石宮が祀られ、下には正方形の手水鉢が置かれています。

手水鉢は文化2年(1805)に村内の石井藤右衛門・同谷右衛門が奉納したもの。その脇には明治25年(1892)に氏子らが社殿の修復を行った際の石碑があります。

例年2月19日から21日の三日間は、国の重要無形民族文化財に指定されている「里芋祭」が行われます。

里芋は氏子の家々が2軒1組で組織した「ツミバンナカマ」で栽培・供出したもので、約90個の里芋を山型に積み上げた神饌を1対作り、担いで奉納します。

里芋祭の前夜、当番の人たちが集まって蒸した里芋に赤萩の枝を刺して積み重ねる
1対の里芋と鯛、餅が翌日の祭りを待つ
里芋を重ねた一番上に白梅を飾る
氏子総代を先頭に十二所神社へ